こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
8月最後の土曜日、沼田町で開催された「夜高(ようたか)あんどん祭り」を見てきました。
沼田町は北海道の空知地方北部、ちょうど留萌と旭川の中間あたりに位置する町です。
毎年8月下旬の金曜土曜の二日間に渡って行われる「夜高あんどん祭り」は、斜里町・八雲町のものと並んで、北海道三大行灯祭りのひとつに数えられ、あんどん同士をぶつけ合う北海道で唯一の「喧嘩あんどん」としても知られています。
元々この「夜高あんどん祭り」というのは、富山県の小矢部や砺波で行われているお祭りなのですが、ここ沼田町を開拓した人物が小矢部出身だったことが縁で、この町にも伝えられることになったのだとか。
これまでに2度見に行ったことがあるのですが、今年はちょうど同じ土曜日に隣の幌加内町で「新そば祭り」が行われるということもあり、せっかくなので併せて見に行くことにしました。
幌加内の「新そば祭り」で美味しい蕎麦を堪能し、妹背牛の温泉施設「ペペル」で休憩した後、沼田町へと向かいました。
駐車場として開放されている旧中学校のグラウンドに車を停めて、お祭りの会場となっている街中へと歩いていきます。
すでに通りには出番を待つあんどんが並び、祭りの参加者と見物客の姿で賑わいを見せています。
お馴染みのキャラクターのあんどんも。
なんか色がおかしい気もするけど。
祭りを前にして、男衆が円座を組んで歌い、気勢を上げています。
豪壮な大型のあんどんから、可愛い小型のあんどんまでずらり。
地元の小中学生達も参加しています。
こういうのいい夏の想い出になるだろうなぁ。
あんどんの練行までまだ時間があったので、屋台の並ぶ一角へ。
特に買いたいものもないんだけど、この雰囲気はいいよなー。
18時半になり、あんどんの練行が始まりました。
灯りの点いたあんどんが、次々と通りを進んでいきます。
暮れゆく青い空に映えるあんどんが美しい。
祭り囃子とあいまって、日本の夏祭りらしい情景が繰り広げられます。
大型のあんどんは、長さ12m、高さ7m、重さ5トンもあるのだとか。
交差点をゆっくり慎重に方向転換していきます。
灯りが入って一層鮮やかさを増した大型のあんどんには、迫力だけでなく見惚れてしまうような美しさがあります。
ぶつけ合いを演じる大型のあんどんは、全部で4基あるそうです。
駅前へと続く町のメインストリートを、大小のあんどんが次々と進んでいきます。壮観だねー。
赤を基調にしたあんどんには、さまざまな図柄が描かれています。
よく見ると細かいところまで丁寧に描かれていて、まるで壮麗な寺社建築のような美しさ。
ジバニャンあんどんも来た。
あんどんの上に乗った人が、勇壮な歌と掛け声で場を盛り上げていきます。
アンパンマンあんどんまで。ちょっと目が怖い。
あんどんのぶつけ合いが行われる場所と時間は決まっていて、スケジュールがパンフレットにも書かれています。
最初のぶつけ合いが行われる場所へ向かうと、2基の大型あんどんがやってきました。
町役場の大型あんどん。
こうして見ると、ガンダムに出てくるモビルアーマーみたい。強そう。
対峙する自衛隊あんどん(左)と町役場あんどん(右)。
いよいよ「夜高あんどん祭り」のメイン、あんどんのぶつけ合いが始まります。
前部を高く持ち上げた自衛隊あんどんが、町役場あんどんに向かって猛然と突進!
ドシン!という音とともに、あんどん同士がぶつかり合います。
あんどんのぶつけ合いと言っても、ガチで本体同士をぶつけるわけではなく、あんどんの台車前部の丸太で組んだ部分を、相手の「吊りあんどん」と呼ばれる脱着可能なパーツにぶつけるようになっています。
ヨイヤサー!の掛け声と共に、自衛隊あんどんは前部を繰り返し上下させ、町役場の吊りあんどんをぐしゃぐしゃに潰していきます。
おおー、これは凄い迫力!!
あんどんからブシューと噴出される白煙もこのシーンをより印象的なものに演出します。
完全に町役場の吊りあんどんが潰されたところで、攻撃側の自衛隊あんどんは後退していきました。
潰されて明かりも消えてしまった吊りあんどんが取り外されます。
そして、どこからともなく現れた新しい吊りあんどんが装着され、再び明かりが灯ります。これで元通り。
五穀豊穣を祈って行われる祭事なので、このあんどんの「再生」も見どころです。
次は攻守交代。町役場あんどんの反撃です。
「オラ!さっきはよくもやってくれたな!」とばかりに、今度は町役場あんどんが激しく自衛隊の吊りあんどんを叩き潰します。
シャッタースピードを遅くして、あんどんの動きと迫力を表現してみようと試みるけど、あまり上手くいかなかった。
次のあんどんのぶつけ合いが行われる、駅前の会場に移動。
ぶつけ合いを演じる大型あんどんはまだ来ておらず、沼田小学校の小型あんどんがいました。
やがて現れたのは、商工会(左)とJA(右)の大型あんどん。
先程とは違って、潰される側の商工会あんどんが前部を持ち上げたJAあんどんに突進していきます。
ヨイヤサー!ヨイヤサー!
今度は商工会あんどんが反撃!白煙を盛大に噴出しながら突進します。
ぶつける場所が決まってるとはいえ、重さ5トンもあるあんどん同士がぶつかると相当の衝撃がありそう。
JAのあんどんには、潰された兜の吊りあんどんに替わって、おかめのあんどんが取り付けられました。
両側の龍と豹(?)の口からは白煙が吐き出され、なんというかカオスな様態に。
ちなみに、この後のぶつけ合いで、このおかめさんも潰されてしまいます。ちょっと可愛そうw
大型あんどんが去った駅前会場に入ってきた、沼田中学校の小型あんどん。
上に狛犬のような獅子のようなものが乗っています。
中学生達がダンスを披露する間、道に置かれた手持ちのあんどん。いいね、きれいだ。
再びJAの大型あんどんが戻ってきました。
次は町役場あんどん(左)とJAあんどん(右)の対決。
まずはJAあんどんの攻撃!
ヨイヤサー!ヨイヤサー!
今度は町役場あんどんの反撃。
あー、さっきのおかめさんがぺしゃんこにー。
地上の盛り上がりを見守るように、上空にはまんまるの月が輝いていました。
この日は最終の21:30まで合計6回のあんどんのぶつけ合いが行われますが、3回見たところで満足したので、帰路につくことにしました。
まとめ
8月の下旬ともなると、北海道ではすでに秋の空気に包まれているのですが、過ぎ去った夏を呼び戻すかのような、熱いお祭りでした。
全国には山車をぶつけ合うお祭りがいくつかありますが、北海道で見れるのはこの「夜高あんどん祭り」が唯一。
祭りの規模は決して大きいものではありませんが、綺羅びやかなあんどんがぶつかり合う迫力のシーンは一見の価値がありますね。
北海道内に住んでいる方はもちろん、道外の方もこの時期に北海道を訪れることがあったら、ぜひその迫力を間近で体験することをお勧めします!
ではでは、またー。
(旅行日:2015年8月29日)