オホーツク海に沿ってノロノロ走る観光列車「流氷ノロッコ号」に乗ってきた

2012年 2月 21日
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この前、オホーツクに流氷を見に行ってきたときに、流氷ノロッコ号に乗ってきたので、そのときのレポートです。

ノロッコ号というのは、夏の釧路湿原や美瑛-富良野でも運行されている人気の観光列車。このゆるふわな名前は「ノロい(遅い)」と「トロッコ」とを掛けたもので、その名の通り風景のいい場所ではノロノロと走り、トロッコ風の展望車両で車窓を楽しむことができます。

この流氷ノロッコ号、運行区間は流氷の来るオホーツク海沿岸を走る釧網本線の網走-知床斜里間。一日2往復しています。始発列車が知床斜里駅からなので、網走駅から往復しようとすると、10時25分網走発の列車に乗るしかありません。

駅前の駐車場に車を停めて、網走駅へ。ちなみに駐車料金は、長時間停めても安心の30分100円でした。

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網走と言えば網走刑務所。駅の看板が縦書きなのは、出所した元受刑者に横にそれることなく真っ直ぐに歩んで欲しいという願いを込めてのことだそうです。なんだか納得できるようなできないような理由。


網走駅の駅舎。

窓口で流氷ノロッコ号の切符を買います。と、言っても、自由席なら特別な切符が必要なわけではなく、普通の乗車券で乗ることができます。網走から知床斜里までは810円。
指定席だとさらに300円かかるのですが、全5両中3両が自由席なので、平日なら必要はなさそうです。


ホームで出発を待つ流氷ノロッコ号。牽引するのは赤いディーゼル機関車です。緑色の機関車が引く釧路湿原のノロッコ号とは違うんですね。
ヘッドマークは釧網本線80周年記念のデザイン。でも、オオワシはいいとしてペンギンなんて沿線にはいないwww


網走駅の駅名標。ホームに立つ駅名標を見ると旅情が掻き立てられるぜー。


客車のサイドに掲げられたノロッコ号のエンブレム。客車は釧路湿原のノロッコ号と同じものです。


ノロッコ号の車内。展望車両となっている1号車から4号車の座席は全て木造り。海側の座席は外の風景を見やすいように窓の方を向いています。

5号車のみが普通の車両になってますが、もちろん展望車の海側の座席に陣取ります。
団体客もかなりの数がいましたが、ほとんど指定席のほうに座ったのか、海側の座席も楽に確保することができました。休日だとまた状況は違うのかもしれませんが。


車内にはダルマストーブがあり、スルメやじゃがいもなどを焼いて食べることもできます。これも冬に運行するノロッコ号ならではの楽しみ。

さて、出発です。網走駅を出発したノロッコ号は、住宅街を抜けて次の桂台駅に停車。桂台駅を出てトンネルを抜けると、線路は海沿いを走ります。

どれどれ、流氷はあるかな・・・・


ない・・・・流氷ちっともないよ!

前日、流氷の情報サイトで確認したときには、結構網走の海岸線にはあるように見えたので期待してたのですが、そこにはただ陰鬱な表情の海が広がっているだけでした。うぅ・・・


列車はそのまま海沿いを走り、藻琴、北浜と停車して浜小清水へ向かいます。初夏にはさまざまな花が咲き誇る小清水原生花園も、今は一面雪に覆われています。そして向こうに見える海には、相変わらず流氷の姿は見えず。むぅ・・・


反対の車窓にはラムサール条約に登録されている濤沸湖。この季節には白鳥など、多くの水鳥が飛来するそうです。


流氷が見れないので、ノロッコ号車内限定販売のプリンをいただきます。価格は300円。蓋に貼られたシールは、このノロッコ号のヘッドマークと同じもの。


ふおぅ、これは美味い!所詮は車内販売のプリンと甘く見てましたが、とろけるような食感と豊かなバニラビーンズの香りが絶品です。
美味しい乳製品で有名な生田原のノルディックファームが作っているようです。なるほど納得。


この釧網本線には、北浜、藻琴、浜小清水など、飲食店が入ってる駅舎がいくつかあります。
写真は止別駅。「えきばしゃ」というラーメン店が入っています。結構、人気があるんだとか。

浜小清水のあたりからやや内陸に入り海は見えなくなります。このあたりでオオワシやワタリガラスなどを見ることができるそうなのですが、それらしき姿も見えず・・・

止別駅を出てしばらく走るとまた海のすぐそばまで出ます。

お?おおお・・・・


おおおー、流氷見えた!


知床半島に近づくにつれ、流氷の密度が高くなっていき、海一面が覆われるような見事な流氷ではありませんでしたが、海と流氷のコントラストを楽しむことができました。

車内ガイドさんによれば、近年は流氷を見れる機会もめっきり減ってしまって、これだけ見れただけでもラッキーなんだとか。


網走駅を出発して約1時間後、知床斜里駅に到着です。向いのホームには、一両のディーゼル車が止まってました。


知床斜里駅の駅名標。

釧網本線はここから内陸に向かい、海から離れていきます。バスなどで知床半島へ向かえば、びっしりと海を埋め尽くす流氷が見れるようですが、今回はこのまま折り返しのノロッコ号に乗って網走に戻ります。

帰りの列車は35分後に出発するので、斜里では観光などをする余裕もなく、すぐにまた改札をくぐってノロッコ号に乗車。


帰りの列車では、網走駅で買ってきた駅弁をいただきました。やっぱり鉄道に乗るなら駅弁だよねー。


「オホーツク贅沢三昧」1200円。イクラ、鮭、カニ、ホタテと、4種類の海の幸が一度に味わえる、名前通り贅沢なお弁当です。


「漁師のかにめし」1200円。こちらは逆に男らしくカニのみの一点豪華主義。タラバガニより格の劣るアブラガニの身を使ってるらしいのですが、それでもカニの旨みをたっぷり堪能できて美味でした。


帰りの列車はオホーツク海に最も近い駅として知られる北浜駅に9分間停車してくれます。この間に、駅の隣に建てられている展望台へ。でも、相変わらずこのあたりでは流氷は見れず。


網走駅に到着です。お疲れさまでしたー。


というわけで、残念ながら流氷はあまり見ることはできませんでしたが、プリンや駅弁は美味しかったし、なにより普段は全く乗ることのない汽車に乗り、流れ行く車窓風景を楽しむことができたってだけで、良かったことにしますw

今年(2012年)の流氷ノロッコ号の運行は3月11日(日)まで。流氷見れる確率はあまり高くないみたいですが、鉄道好きな人や、私のように列車に乗って旅情を感じてみたいって人にはお勧めですねー。

それでは、またー。