山間をのんびり走る絶景列車、「南アルプスあぷとライン」に乗ってきたよ

2013年 6月 27日
このエントリーをはてなブックマークに追加   

こんにちは、ロプロス(@ropross)です。

前回の記事「鉄道旅の醍醐味が満載!大井川鐵道のSLに乗ってきたよ」の続きなのですが、SLを終点の千頭駅で降りてから、さらに大井川の上流に向かって走る「南アルプスあぷとライン」に乗って来ました。

この路線は、正式には「大井川鐵道井川線」と言い、千頭駅から井川駅までの25.5kmを結んでいます。国内では唯一の「アプト式」で運行される区間があり、車窓からは奥大井の豊かな自然を満喫できることで知られています。

スポンサードリンク


千頭駅であぷとラインの切符を買います。マニアに喜ばれそうな硬券です。


乗り込む列車はこちら。
先ほどまで乗っていたSLとは対照的な、小さくて可愛らしい列車で、「いかわ」号という名前が付いています。


最後尾に連結されたディーゼル機関車が客車を押して走ってくれます。


運転区間が書かれたサイドボード。


客車内も狭く、シートは1列+2列のボックスシートです。


開放的すぎる展望車両が連結されています。
せっかくなので、こちらの座席に陣取りました。

SLにはかなりの人数が乗っていたのですが、このあぷとラインの乗客は10人程度。全員観光客のようでした。


それでは出発です。ここでも駅員さんが手を振ってお見送りしてくれます。


ガタゴトキイキイ音を立てながら、ゆっくりと走っていきます。


右手に大井川。


吊り橋をくぐります。


SLの車窓から見ていたのより、ずいぶん川幅が狭くなってきました。


千頭駅を出て二つ目の駅、澤間駅に到着です。


車窓にはやっぱりお茶畑。山間部でもさかんに栽培されているようです。


鉄橋を渡ります。せせらぎの水も澄んできました。


緑の中を走り抜けてく真っ赤な列車。


川根小山駅で、登りの列車とすれ違います。こちらは「せっそ」号。この先にある接阻峡から名前が付けられたようです。


山間に広がる茶畑。


5番目の駅、奥泉駅。


さらに茶畑。


路線の後半は多くのトンネルをくぐり抜けます。


深い緑に映える赤い橋。


アプトいちしろ駅に到着しました。

いよいよこの路線の本番。ここから約1.5kmの区間は、「アプト式」といって歯形のレールを噛みあわせて急な勾配を登る特別な方式で運行されています。

列車の背後から、大きくて頼もしそうなアプト式電気機関車が颯爽と登場!


最後尾のディーゼル機関車のさらに後ろに、アプト式電気機関車を連結します。ガチャリ。


通常のレールの間に見えるのが、ラックレールと呼ばれる歯形のレールです。
これに歯車を噛みあわせて、アプト式電気機関車が、ぐいぐいと列車を押して急勾配を登ってくれます。


列車はアプト式区間をずいずい力強く登っていきます。


アプト式区間は、1000mの間に90mも標高を上げるという、日本一の急勾配なんだとか。


長島ダムが見えて来ました。

アプト式区間は、長島ダム駅まで。ここでアプト式電気機関車は切り離され、元の駅へと戻っていきました。
さっと現れて、たいへんな仕事をこなし、ぱっと去っていく。かっこいいぜ、アプト式電気機関車。

ここからは、再び通常のディーゼル機関車による運行に戻りますが、車窓の風景は一段と絶景度を増していきます。


緑色の湖水が美しい接岨湖。長島ダムによってできた人造湖です。


ひらんだ駅。面白い名前。


ひらんだ駅と奥大井湖上駅の間のトンネル内では、あぷとラインの列車や沿線の風景が描かれたあんどんが浮かび上がります。


「レインボーブリッジ」という、どこかで聞いたことあるような名前の鉄橋を渡ります。


まるで湖に浮かぶような半島状の陸地に位置する奥大井湖上駅。
観光地なんかによくある幸せの鐘がありました。


奥大井湖上駅からは、鉄橋に歩道が儲けられいていて、湖の上を歩いて渡ることができるそうです。
橋の高さは70mもあり、スリル満点で楽しそうでしたが、今回は時間がないので断念。


湖を離れて再び森の中を走ります。


尾盛駅に到着しました。この鉄道しか交通手段のない秘境駅です。乗り降りする人いるんだろうか?


私鉄では日本一の高さを誇る関の沢鉄橋。
地上71mの鉄橋の上で、列車を停止させてくれます。


身を乗り出すと真下を見下ろすこともできます。うおお、怖えええー。


終点のひとつ手前、閑蔵駅に到着しました。終点の井川駅まで行きたいのはやまやまなのですが、帰るのが遅くなってしまうので、ここで下車します。


この列車ともここでお別れ。


終点に向かって、走り去って行きました。ありがとうー。


閑蔵駅からは千頭駅まで戻るバスが出ているので、これに乗り込みます。
車窓からは、先程通ってきたあぷとラインの路線がちらほらと見えました。

あぷとラインで1時間30分かかった閑蔵-千頭間を、バスだとわずか30分で戻って来ることができました。速いw

おまけ

千頭駅の駅前にあったお茶屋さんの看板犬、コロちゃん。
大人しくていいこいいこ。


大人気のSLとは違って、このあぷとラインにまで乗る観光客はあまりいないようですが、小さな列車にガタゴト揺られるのは遊園地のアトラクションのように楽しく、深い山の中を縫うように走る路線は絶景の連続で、SLに負けず劣らず満足の時間を過ごすことができました。

せっかく大井川鐵道のSLに乗ったのなら、この「あぷとライン」も合わせて楽しむのがオススメですね。

それでは、またー

(旅行日:2013年5月16日)