白虎隊自刃の地、「飯盛山」に行ってきました

2013年 12月 30日
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こんにちは、ロプロス(@ropross)です。

10月に南東北を旅行した時、福島県の会津若松に行ってきたのですが、その時に白虎隊の少年隊士が自刃した地として知られる飯盛山を訪れました。

飯盛山は、会津若松の市街からすぐ東側に位置する標高314mの山で、飯を盛ったような形をしていることから、そう名付けられたそうです。

飯盛山の麓には、無料の市営駐車場があるので、そちらに車を停めて登り口へと向かいました。

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飯盛山の登り口。観光地らしく、両脇にはお土産屋さんが並んでいます。

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階段を登るのが大変な人のため、「動く坂道」というスロープコンベアがありました。料金は250円。
年配の方も階段を登っているのに、私達が楽するわけにもいかないので、利用しませんでしたがw

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「動く歩道」の乗り口の近くには、「白虎隊記念館」があります。
自刃の地やお墓に行く前にここで勉強していくことに。

入館料の400円を支払い中に入ります。
館内には、白虎隊をはじめとした会津藩や会津に関わりのある人物にまつわる遺品や書画、手紙など、1万2千点もの史料が展示されています。
歴史ファンには見応えのある記念館でした。

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飯盛山の案内図。
あれ?今見たら推奨ルートと逆に周ってたw

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白虎隊士の一人、酒井峰治と愛犬クマの像。
隊からはぐれて山中を彷徨い、自刃すら考えた峰治が、クマと遭遇したときの様子を再現したものだそうです。

愛犬により勇気づけられた峰治は、無事鶴ヶ城に入城。その後の籠城戦を戦い抜きました。

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「白虎隊記念館」の前にも、二人の少年隊士の像がありました。

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さて、改めて石畳の階段を登っていきます。
段差はそれほど急ではなく、距離もさほど長くはないので、数分で登ることができました。

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階段を登り切る少し手前に、売店や食事処が入っている「飯盛分店」があります。
店の奥には展望台があり、会津若松の街を一望できます。

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階段を登り切ったところには広場があり、剣士の格好をした女性が、剣舞を披露していました。人だかりが凄くて写真は撮れませんでしたが。

広場には、戊辰戦争で亡くなった婦女子の霊を弔うための「会津藩殉難烈婦の碑」が建てられています。
犠牲になったのは武士だけではなく、女性や子供も数多く命を落とした凄惨な戦争だったことを実感します。

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広場から右手の階段を降りると、自刃に及んだ20人の隊士の中で、唯一人生き残った飯沼貞吉(飯沼貞雄)の墓があります。
この飯沼貞吉によって、悲劇の様子が伝えられることになりました。

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さらに進むと、白虎隊が自刃した場所にたどり着きます。
この場所には、鶴ヶ城の方向を眺めるような少年隊士の像が建てられています。

白虎隊は、16,17歳になる武家の男子で構成された部隊で、合計343名が所属していました。
そのうち、この飯盛山で自刃したのは、士中二番隊に属していた20名。

戸ノ口原での戦いに敗れ、飯盛山に落ち延びた士中二番隊の隊士達は、城下が燃えているのを目にして、鶴ヶ城がすでに落城したと思い込みます。
実際にはこのとき見えたのは失火による炎だったといわれていますが、少年達は敵に捉えられ生き恥を晒すのを潔しとせず、この地で自刃することを選びました。

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自刃の地から、会津若松の街を望みます。
写真ではわかりませんが、確かに鶴ヶ城の姿を見ることができますね。
炎上する城下の様子を、少年隊士達はどのような気持ちで眺めたのでしょうか。

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隊士像の隣に建てられている、白虎隊殉難士各霊塔。

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広場に戻り、逆方向へと向かうと、白虎隊士のお墓があります。

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自刃白虎隊十九士の墓。現在も年間200万人もの人が弔いに訪れているそうです。

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少年武士慰霊碑。

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会津藩主松平容保公が、白虎隊の殉難忠節に対して詠んだ弔歌を刻んだ石碑。

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下りは登ってきた階段ではなく、別のルートで降りていきます。

しばらく進むと、奇異な外観のお堂が見えてきます。国の重要文化財にも指定されている、さざえ堂です。

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さざえ堂の入り口。拝観料は400円です。

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入り口を入ったところには、さざえ堂を建立した郁堂膳師の像が鎮座しています。

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さざえ堂の内部には、螺旋状の坂が続いています。

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最上部にまで登ってきました。天井にまでいっぱいのお札が貼られています。

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ここからは下っていきます。二重螺旋の構造になっているので、一方通行で登って降りてくることができます。

このような構造の仏堂は極めて珍しいそうですね。

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命を落とした白虎隊士を慰霊する供養車。

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さざえ堂と同じ敷地内にある宇賀神堂。

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お堂のなかには、自刃した十九士の霊像が安置されています。

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さざえ堂からさらに進んだところにある厳島神社。

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猪苗代湖の水を会津若松に引くために掘られたという戸ノ口堰洞穴。
長さは150mほどで、戸ノ口原の戦いに破れた白虎隊士が、ここを通って飯盛山に辿り着いたそうです。

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洞窟の近くには、戸ノ口堰水神社の小さな社があります。

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白虎隊をはじめとした、会津藩の歴史にまつわる約5000点の史料が展示されている、「白虎隊伝承史学館」。入館料は300円です。

先に訪れた「白虎隊記念館」と比べると小規模ですが、白虎隊も使用していたという、本物のゲベール銃に触れることができます。

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お土産屋の並ぶ登り口に戻り、「小池菓子舗」で柳津町の名物だという、あわまんじゅうを食べました。

もち米と粟で作られたおまんじゅうにはあんこがぎっしりと入っています。ふわんふわに柔らかくて美味しい!

180年の歴史があるそうなので、白虎隊の少年隊士も食べたことがあるのでしょうか。

まとめ

白虎隊少年隊士の自刃は、日本史上の悲劇として今も語り継がれています。
この国の歴史が大きく動くうねりの中で、武士らしく散っていった少年達の眠る飯盛山。歴史ファンならずとも、日本人なら一度は訪れたい場所ですね。

(旅行日:2013年10月28日)