こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
10月に東北を旅行したときに、山形県最上地方の大蔵村にある肘折温泉に宿泊してきました。
肘折温泉は、月山の麓のカルデラに位置する温泉地で、その歴史は古く、開湯は807年と言われています。
「肘折」という名の由来は、老僧に姿を変えた地蔵菩薩が「崖から落ちて肘を折ったのだが、この湯に浸かったところたちまち傷が癒えた。この素晴らしい湯を多くの人に知らせてほしい」と、旅の翁に伝えたところから来ているそうです。
大衆の苦しみを救う地蔵菩薩様も、意外とドジなところがあるらしい。
今回は温泉街の北の端にある、「湯宿 元河原湯」に泊まったのですが、温泉街では毎朝朝市をやっているというので、翌朝少し早起きして散策してみることにしました。
朝市は4月から11月の間、毎朝5:30から(10,11月は6:00から)7:30までの時間、開かれているそうです。
この日の朝は少し雨模様でしたが、温泉街には傘を広げた露天が並んでいます。
朝早いのに観光客の姿も多く、狭い路地は賑わいを見せていました。
露天で販売されているものの中でも一番目立ったのはキノコ類。実に様々なキノコが売られています。
昨夜の宿の夕食にもよく出たけど、このあたりはキノコの産地なんだね。
スーパーじゃまずお目にかかることのできない、でっかいマイタケの株。
笹の葉に包まれたちまきもよく売られていました。きな粉付きです。
春菊や里芋、山形名物の食用菊といった地元の特産品。
山形県は食用菊の生産量全国第一位だそうです。
昭和12年に建てられたというレトロな旧郵便局舎。
温泉街のあちこちには、肘折温泉にまつわる問題の書かれた札が建てられています。
ちなみに、この問題の正解は3番。このあたりは日本でも有数の豪雪地帯だそうです。
温泉街に面して建つ渋い佇まいの旅館、「丸屋」。
今回は「元河原湯」に泊まりましたが、ここも非常に評価の高い宿なので気になっていました。次回は泊まってみたいなぁ。
宿の前には足湯があるところも。
こちらにも足湯。
最近、どこの温泉地でも足湯を設けるところが増えてきたけど、お風呂に入らなくても、気軽にお湯を楽しめるのは嬉しいよね。
飲泉所もありました。あまりクセがなくナチュラルな味。
薬師神社(湯座神社)の鳥居と境内へと続く階段。
お湯の神様にお詣りしていくことにしましょう。下駄じゃ階段登るの難しいw
階段を登ると、無人の拝殿がありました。
少し左手に行ったところにも、簡素な造りの社殿が。
雨の温泉街ってのはたまらなくいい風情だよなー。
現在、肘折温泉には20軒あまりの宿が営業していて、その多くがこの温泉街沿いに位置しています。
「○○屋」という屋号の宿が多いんですね。
温泉街をさらに奥へと進むと、川沿いの源泉公園にたどり着きます。ここが温泉街の一番端になるようですね。
正面には、ごうごうと音をたて水しぶきを上げる肘折ダムが見えます。
昭和27年に建設された砂防ダムで、登録有形文化財にも指定されているそうです。
丸いオブジェからお湯が流れてくる飲泉所。
タマゴのような形をした源泉ドーム。
ベンチに腰掛け、ドームに腰や背中をつけて温まれるそうですが、雨でベンチが濡れていたので触るだけにしときました。
三角の覗き窓からは、源泉がごぼごぼと湧き出てくる様子を見ることができます。
さらにこの向こうには、「初恋足湯」という何やら恥ずかしげな名前が付けられた足湯があるそうなのですが、残念ながら立入禁止になっていました。
源泉公園近くの橋から眺める銅山川。こういう素朴な田舎風景は好きだなぁ。
ひと通り散策を終えたところで、宿に戻りました。
宿をチェックアウト後、再び温泉街に戻り、共同浴場「上の湯」に入ることに。
他の歴史ある温泉街で見られる共同浴場のような、趣ある建物とは違って、住民センター的な外観です。
中に入ってみましょう。入浴料は250円。
共同浴場らしい味わいがある脱衣所。
浴室には、共同浴場にしては広めの浴槽がひとつ。
宿泊した「元河原湯」とは違って無色透明なお湯が、なみなみと溢れています。
泉質は含食塩-重曹泉で、肌触りが非常に滑らか。お肌がすべすべになりそうです。
湯船の窓際には、肘折温泉を発見したと伝えられる、地蔵菩薩様が安置されています。
いいお湯でほっこりしたところで、車に戻り、肘折温泉を後にします。
途中、高台から温泉街を眺められるスポットがありました。さよなら肘折温泉。また来るよ。
まとめ
肘折温泉は、新庄市からも山形市からもかなり離れた山間に位置しているため、アプローチは不便なのですが、それだけにしっとりとした情緒が残っていて、どこか郷愁を掻き立てるような雰囲気があります。
豊かな自然に囲まれた環境も素晴らしく、湯量は豊富で泉質も上々。癒やしを求める人にはうってつけの温泉地ですね。
ぜひまたいつか再訪したいと思います。
ではでは、またー。
▼囲炉裏会席と濁り湯が嬉しい宿、肘折温泉の「湯宿 元河原湯」に泊まったよ | ロプログ
▼肘折温泉郷 開湯1200年の歴史ある湯治場(公式サイト)
(旅行日:2013年10月25日)