囲炉裏会席と濁り湯が嬉しい宿、肘折温泉の「湯宿 元河原湯」に泊まったよ

2013年 12月 20日
このエントリーをはてなブックマークに追加   

こんにちは、ロプロス(@ropross)です。

10月に東北地方を旅行した時、山形県の肘折温泉にある「湯宿 元河原湯」に宿泊してきました。

肘折温泉は深い山々に囲まれた秘湯風情漂う温泉地で、開湯1200年という長い歴史を誇ります。
「肘折」という面白い名前の由来は、肘を折った僧がこの湯に入り傷を癒やしたという故事からきているそうです。

現在、20軒あまりの宿が営業していますが、今回はその中でも、囲炉裏での食事を楽しむことができ、クチコミ評価も高かった「元河原湯」を選びました。

この日は新庄方面から肘折温泉に向かったのですが、国道が工事中で通れなかったため、細く曲がりくねった裏道を走って温泉街へとたどり着きました。

スポンサードリンク

motogawarayu-025
温泉街の狭い路地を抜けた突き当りに、「元河原湯」は建っています。

建物は近代的ですが、玄関横には「日本秘湯を守る会」の提灯がかかっています。

motogawarayu-027
フロントとロビーの様子。
館内は木の温もりを大切にした暖かい雰囲気が満ちています。

motogawarayu-026
ロビーには囲炉裏もありました。

motogawarayu-002
案内された部屋は、新しくモダンな佇まいの和室。
この部屋は10畳でしたが、各宿泊プランによって部屋の広さは異なるようです。

motogawarayu-003
部屋の隅にはソファも置かれています。

motogawarayu-004
窓からはすぐ目前に銅山川の流れを見ることができます。
せせらぎの音も風情をかきたててくれて心地いい。

motogawarayu-005
玄関を入ってすぐの前室には、冷蔵庫やクローゼットなどがあります。

motogawarayu-006
浴衣やタオル類。

motogawarayu-035
おお、温泉で絣の浴衣というのは非常に珍しいですね。

motogawarayu-007
お茶受けには、くるみ蕗餅と甘納豆の他に、伽羅蕗も用意してくれました。

motogawarayu-008
少し休憩してから、まずは無料で利用できる貸切風呂の「かわら湯」に入りに行きます。
午後10時までは予約制ですが、それ以降は空いていれば自由に入ることができます。

湯船は信楽焼の陶器でできていて、ちょうど二人入れるくらいのサイズ。
鉄分を含んだ茶褐色のお湯は源泉掛け流し。泉質は含食塩-重曹泉なので、肌触りが良く、身体も温まります。

motogawarayu-009
夕食は囲炉裏のある食事処で。

栗やあけびの前皿は見た目にも可愛らしく、他にも秋鮭とキノコの酢のもの、ますだけのいりもの、しめじのぬた和えなどが並んでいます。

motogawarayu-010
お品書き。

motogawarayu-011
食前の山ぶどう液。
ぶどうジュースでもワインでもない、野性味を感じる不思議な味でした。

motogawarayu-013
囲炉裏で炙られた岩魚の串焼き。
味噌が塗られています。これが淡白な岩魚の身によくマッチして旨いっ!

motogawarayu-014
メインは山形牛と庄内豚の朴葉焼き。
囲炉裏にかけられた大きな陶板に朴葉が敷かれ、その上で二種類のお肉と野菜やキノコ類を焼いていきます。

庄内豚は脂の旨味が抜群!山形牛は柔らかくてとろけるような味わいが極上!どちらも絶品!!

ちなみに、メインは山形牛のすき焼きや鴨鍋を選ぶこともできました。

motogawarayu-015
お刺身は、馬刺し、マツカワ、湯葉と、ありきたりのものじゃないところが嬉しい。

鮮やかな黄色が彩りを添えてくれる食用菊も、このあたりではよく出てきますね。

motogawarayu-016
なめこの粕汁。

motogawarayu-017
館主の手打ちだという十割蕎麦。
細めでコシが強く、のどごしも香りも申し分なしの美味しさ。

motogawarayu-019
そばとうふの揚げ物とマイタケの天ぷら。
さっくりした衣と柔らかいそばとうふの食感のコンビネーションがいいね。出汁の味ともよく合います。

motogawarayu-018
お餅と焼きおにぎりとトマト・獅子唐・エリンギの串。

motogawarayu-021
これも囲炉裏で焼いていきます。
お腹が膨れてきたところに、この炭水化物コンビはキツい・・・

食事の量はかなり多めだったので、宿の食事を残すことはほとんどない私ですが、お餅までは食べることができませんでした。

motogawarayu-020
デザートは庄内柿。
一口食べれば濃厚な甘さが口の中いっぱいに広がります。

前日泊まった蔵王温泉の「ろばた」でも、デザートに同じ柿が出てきたので、山形の宿ではこの時期の定番なのかな?


地元産の食材をふんだんに使った山宿らしい料理が次々と現れる、素晴らしい夕食でしたね。
どの品もクオリティが高く、料理人のこだわりを感じることができました。

特にきのこ類が充実していたのは良かったですね。シメジ、エリンギ、シイタケ、エノキ、ナメコ、マイタケ、マスタケと、これだけバラエティに富んだきのこが出てくる夕食は初めてでした。

motogawarayu-022
夜は最上階にある大浴場へ。

露天風呂はありませんが、いかにも泉質の良さそうなお湯が湯船に満たされています。
もちろんこちらも源泉掛け流し。貸切湯と同じ含重曹-食塩泉ですが、源泉が違うので濁りは薄めです。
まだ浴室も新しそうですが、すでに湯船の縁には温泉成分が付着し、温泉らしい味わいを醸し出しています。

motogawarayu-023
翌朝。窓から見える風景。

motogawarayu-024
朝食前に温泉街をお散歩。

趣たっぷりの温泉街では、毎朝朝市が開かれています。
キノコをはじめとした地元産の品々が売られているのを眺めながら、ぶらぶら歩きます。

motogawarayu-028
宿に戻り、早朝の散歩で冷えた身体を温泉で温めます。

大浴場は夜の間に男女が入れ替わったようです。
脱衣所はとても清潔でキレイ。

motogawarayu-029
前日入った反対側の浴室と、あまり変わりはないですね。

motogawarayu-030
浴室の窓からは、眼下を流れる川や緑の山々を眺めることができ、露天風呂がなくても自然を間近に感じながらの入浴を愉しむことができます。

motogawarayu-032
朝食も昨夜と同じ食事処でいただきます。
よしよし、温泉卵があるな。

ごはんは山形県産のブランド米、つや姫です。

motogawarayu-033
山形名物の芋煮もありました。
里芋好きの相方は大喜び。里芋が苦手な私でも食べることができたので、好きな人にはたまらなく美味しいのでしょう。

宿の朝食は個性のないものになりがちなのですが、こういう地元ならではの料理を出してくれるのは嬉しいですよね。

motogawarayu-034
朝食にもお餅が出てきました。
私はきな粉を、相方はあんこを選びます。柔らかくて美味しい。
朝からお腹いっぱいになりました。

まとめ

今回の宿泊プランは、1泊2食付きで13500円でした。食事が囲炉裏会席でなければ、もっと安いプランがありましたが、やっぱりせっかくなんだから囲炉裏で食べたいよね。

山間の鄙びを感じる温泉街にあって、現代的な快適さと伝統的な温泉宿の風情をうまく融合させた宿だと思いました。
キレイで快適な宿で、名湯と地元の山の幸を思う存分味わいたいという人に、ぜひお勧めしたいですね。

ではでは、またー。

▼山形県 肘折温泉 旅館|いろりと源泉の宿 湯宿 元河原湯|公式サイト

(旅行日:2013年10月24,25日)