こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
1月に今年最初の旅行として、ニセコに3泊の温泉旅行に行ってきたのですが、その3泊目に昆布温泉の「鯉川温泉旅館」に泊まってきました。
全12室の小さな宿ですが、開湯は明治32年と北海道の宿としてはかなり古い歴史を持ち、かつては北海道中から湯治客が訪れたという名湯です。
「鯉川温泉旅館」の敷地への入り口。
同じ秘湯宿でも、この前々日に宿泊した新見温泉や五色温泉と比べると、ニセコのスキーリゾートにも近く、アクセスしやすい場所に位置しています。
宿までは雪に覆われた細い道が続いています。
道の両側に並ぶ木々は桜だそうで、春には見事に咲き乱れるそうです。
凍りついた池の向こうに宿の建物が見えてきました。
入り口から150mほどで宿の前に到着。
昆布温泉の大きな通りからこの宿までそれほど離れているわけではないのですが、このアプローチは秘湯感を盛り上げてくれますね。
建物はそれなりに近代的ですが、入り口に掲げられた看板からは、古い歴史を感じさせてくれます。
「日本秘湯を守る会」の会員宿です。
フロントとロビー。
どこかレトロな雰囲気を醸し出す自動販売機が並んでいます。
客室前の廊下。
客室の扉。
客室の玄関を入ると2畳の前室があり、衣紋掛けが置いてあります。
懐かしい。昔、実家にこんなのあったな。
部屋は6畳+αの和室です。
湯治宿らしい小ぢんまりとした感じが落ち着きます。
こんな秘湯宿なのに、部屋でWi-Fiに繋ぐことができ、充分に快適な速度でネットを利用することができます。
古の秘湯風情と現代的なネット環境が共存しているというのは、かなりの高ポイントですね。
部屋にバス・トイレ・洗面所はありませんが、小さな宿なのでいずれも部屋の近くにあり、不自由することはありません。
部屋の片方の壁は懐かしさを感じさせる土壁。
女性には嬉しい鏡台も置かれています。これまたレトロチック。
狭くて変わったタイプの広縁。一人で窓の外の風景を楽しむ用かしら?
広縁の窓からの眺め。今は雪に囲まれてほぼ白一色ですが、ニセコの四季折々の自然を楽しめそうです。
こちらも懐かしい感じのヒーター。型は古いけどしっかり暖めてくれます。
お茶菓子はくるみゆべし。
桜の枝のキーホルダーがいいね。
タオルと浴衣類。
浴衣には宿名にちなんだ鯉がデザインされています。
ちょっと落ち着いたところで、さっそくお風呂に入りに行きます。
浴場へ向かう廊下の雰囲気も、秘湯らしい味があります。うむ、素晴らしい。
いいね、いいね、この感じ。
脱衣所前の休憩所。まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような空気です。
これも懐かしい体重計。
こうした郷愁をそそるアイテムが各所に置かれているのもいいなぁ。
かつては混浴だったという内湯の湯殿は、昭和初期に建てられたというクラシックで趣深いもの。
お湯は緑褐色の濁り湯で、泉質は含重曹-食塩泉。加水加温循環なしで、源泉がそのまま掛け流しにされています。
湯量も豊富なようで、湯口からかなりの勢いで注がれ、湯船からざぶざぶと溢れ出ています。
やっぱ、秘湯宿のお湯はこうでなくちゃねー。
浴場は男女入れ替え制になっています。
こちらはもうひとつの浴場の内湯。若干狭めです。
自然を間近に感じられる開放感ある露天風呂、「滝見の湯」。
若干加水しているそうですが、こちらももちろん掛け流し。
内湯と比べると湯加減はややぬる目で、裏の山から流れてくる滝と雪景色を眺めながら、ゆったりのんびりと極上のお湯を味わうことができます。
はー、こりゃええわー、極楽やー。
湯樋から勢い良く注がれるお湯を見ていると嬉しくなってくるよね。
内湯から露天風呂への足元には、溢れ出たお湯が流れ、凍りつかないようになっています。
北海道の冬の露天風呂では、浴槽に至るまでの足元がたまらなく冷たいところも多いので、こういう工夫はありがたい。
さて、お楽しみの夕食の時間。食事は部屋にお膳で持ってきてくれます。
テーブルにずらりと並べられるのもいいけど、こういうお膳で食べるのもたまにはいいかもしれない。
トウモロコシの豆腐。
初めて食べたんだけど、味はコーンポタージュで食感は胡麻豆腐みたいな不思議な感じ。これは面白いなぁ。
刺身はマグロとホタテと甘エビ。
温泉宿の刺身で炙りを入れてるのは珍しい。
ニセコは山の中ですが、日本海と噴火湾という豊かな漁場に挟まれているので、海の幸も豊富です。
ニシンや薄い卵に包まれたエビ、高野豆腐などの入った椀物。
海鮮味噌グラタン。エビ、白身魚、ホタテ、ピーマン、キノコ、タマネギが入ってます。
秘湯宿らしからぬ一品だけど、魚介と味噌とチーズが良く合って旨いな、これ!
鶏の水炊き。大きめの骨付きの鶏肉がごろりとふたつ入ってます。
お味噌汁。エビの頭からなんとも言えないいいダシが出ています。
今回はお料理少なめというプランを選んだのですが、少なめと言っても、それほど大食ではない私達にはちょうどいい量です。
ちなみに、通常のプランだと、1000円高くて2品多くなるようです。
秘湯宿ということで、食事への期待感はそれほど高くはなかったのですが、これなら充分満足といった内容の夕食でした。
海の幸が多かったので、欲を言えば、前々日泊まった「新見本館」のように、もうちょっと山宿らしいメニューがあれば嬉しかったかなー。
浴場へと続く廊下も、夜になり灯りが灯ると、ぐっと趣を増します。
山の秘湯宿ならではの雰囲気。これがたまらなくいいよねー。
そして、夜の露天風呂での、暗闇から落ちてくる雪を見上げながらの湯浴みが最高!
秘湯風情ここに極まれり、といった感じです。
翌朝の朝食も部屋に運ばれてきます。
シンプルなお膳だけど、自家源泉で作ったという温泉卵があるから満足。
まとめ
鄙びた湯治宿としての趣、味わいのある湯殿、泉質抜群の緑褐色の濁り湯、豊かな自然を感じられる露天風呂、レトロなアイテムの数々と、秘湯好きの私には堪えられない要素が満載で、大満足の1泊でした。
今回は1泊2食8400円のお料理少なめというプランで宿泊しましたが、食事の内容も充分満足できるものでしたし、コストパフォーマンスもなかなかですね。
日帰り入浴もウェルカムな宿なので、宿泊せず温泉だけ入っていく人も多いかと思いますが、ぜひ宿泊してこの秘湯風情を存分に満喫することをお勧めしたいところです。
ではでは、またー。
(旅行日:2014年1月23,24日)