こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
先日、ニセコを旅行してきたときに、「ニセコ五色温泉旅館」の別館に泊まってきました。
五色温泉は、ニセコ連峰の主峰アンヌプリとイワオヌプリに挟まれた山間に位置する秘湯で、現在は2軒の旅館が営業をしています。
そのうちの一軒、今回宿泊した「五色温泉旅館」は昭和5年開業という北海道の温泉宿としては古い歴史を持ち、登山者や秘湯ファンの人気を集めてきました。
宿には本館と別館があるのですが、自炊する湯治客向けの別館だと、宿泊料金は一人3,822円と格安。今回は食事の必要はなく、ただ秘湯宿の雰囲気と名湯を楽しみたかった私達にとって、これだけ安く泊まれるのはありがたいところです。
ちなみに本館のほうは、素泊まりだと5,766円、二食付きだと8,898円だそうです。
別館のほうに宿泊する場合でも、チェックインの手続きは本館で行います。
そっけない受付の方に、さしたる説明もなく部屋の鍵だけ渡されます。
私達の泊まる別館は、本館から約50mほど離れています。
この季節なら問題ないけど、冬に吹雪いていたりしたら移動するのも大変そう。
別館の外観は、秘湯宿らしく木造の山小屋のような造りです。
左側が温泉なんだけど、露天風呂が外から丸見えw
外観や「秘湯宿」という言葉から受けるイメージとは違って、館内は意外なほど新しくてキレイです。
部屋は潔いほどにシンプルな和室。6畳の畳と1.5畳分くらいのフローリングのスペースがあります。
テーブルとその上に置かれたティッシュ、それに暖房機器があるだけで、バス・トイレはもちろん、テレビやポット・冷蔵庫といった、温泉宿には当たり前の設備は一切ありません。
殺風景ではあるけど、新しくて充分に清潔ですし、この価格で泊まれるのなら悪くはないですね。
アメニティ類も、浴衣・バスタオル・タオル・歯ブラシなども全く用意されておらず、いるものは全て持参する必要があります。
もちろん、何もないことは宿の公式サイトや宿泊予約サイトにも記載されていますし、それを承知で泊まりに来ているので何の問題もありません。
部屋の窓からは本館とその向こうのニセコアンヌプリを望むことができました。
自然に囲まれたロケーションの温泉宿というのは、それだけでも高ポイント。
宿泊する別館にも温泉はあるのですが、まずは本館のほうの浴場に入りに行きます。
本館にも2ヶ所の浴場があり、最初は「大浴場」のほうに入りました。
温泉らしい硫化水素臭の満ちた浴室には、2つの湯船があり、薄く白濁したお湯が掛け流しになっています。
泉質は酸性の硫黄泉で、食塩やマグネシウム、カルシウムなど濃厚な成分を含んでいます。
味のある木造りの露天風呂。
露天風呂からは、夕陽を浴びて赤く染まるニセコアンヌプリの姿を眺めることができました。
絶景を見ながらの湯浴みはまた格別!
本館のもう一箇所の浴場、「からまつの湯」。
こちらは湯殿自体が木造り(カラマツ材かな?)でいい雰囲気。
「からまつの湯」の露天風呂。
浴槽はタイル造りで趣はありませんが、自然を間近に感じながら入浴することができます。
「からまつの湯」の脱衣所。
秘湯宿の中には、古くて清潔感のない場所もあるのですが、この「五色温泉旅館」はどこも清潔で気持よく利用できます。
別館へと戻ってこちらの浴場へ。
脱衣所には無料・コイン不要で利用できるロッカーがあるので安心です。
別館の内湯。こちらの湯殿も木造りで、秘湯風情を味わうことができます。
温泉成分の影響で、浴室の金属部は真っ黒に腐食しています。すごいな、これ。
お湯は光の加減によって、白や灰色、青緑色、薄青色などに変化して見えます。
「五色温泉」と呼ばれる所以ですね。
別館の浴場にも露天風呂がついています。
3ヶ所も露天風呂つきの浴場に入れるってのは得した気分になりますね。
別館の入口のすぐ横にある畳敷きの休憩スペース。
別館の1階には、自炊客のための食事スペースがあります。
その隣には炊事場があり、コンロや鍋やフライパンなどの調理器具がひと通り揃っています。
食器類も多数用意されています。
さらには、冷蔵庫・炊飯ジャー・トースター・電子レンジと、至れり尽くせりの揃いっぷり。
これだけあれば炊事に関しては何も不自由はしなさそうです。
調理器具も食器も揃っているので、本格的に料理することもできますが、ちょっと面倒だったので、倶知安市内のスーパーで買い込んできたお惣菜を温めて夕食。
旅館で贅を尽くした料理を頂くのもいいけど、たまにはこういうのも楽しいよね。
部屋のある2階にも炊事場がありました。
こちらは一般家庭のようなシステムキッチンで、清潔で使いやすそう。
翌朝、チェックアウト前に、もう一度本館のお風呂に入りに行きます。
青空の下にニセコアンヌプリがくっきり。あれ?向こうの展望台から丸見えやんw
本館の受付に鍵を返却してチェックアウト。
そのあと、露天風呂から見えていた展望台に向かい、先程まで泊まっていた「五色温泉旅館」の全景を見下ろします。
あ、やっぱりこっちらからも露天風呂見えてるw
女性用のほうには、一応高めの柵が設けられているようですが。
イワオヌプリへの登山口のあたりからさらに見下ろしてみる。
いいなー、このロケーション。こういった環境に建つ秘湯宿は、北海道には少ないので貴重ですね。
地図
まとめ
ニセコで安く温泉宿に泊まりたいときには、湯本温泉のペンション「アダージョ」や花園温泉の「ニセコワイスホテル」をよく利用していたのですが、今回は何度か日帰りで入浴していて、そのお湯と秘湯ムードが気に入っている「ニセコ五色温泉旅館」の別館を選びました。
この別館に泊まる場合は、旅館らしい設備・アメニティ・サービスは一切なく、ただ温泉に入り宿泊するだけという感じなのですが、施設は新しく清潔ですし、快適に滞在することができました。
山間なので心配していたモバイルの電波状況については、ソフトバンク回線は3Gが繋がるものの通信速度はかなり遅く、一方、ドコモ回線はLTEが繋がり、速くはないもののそこそこの速度(1.5Mbps前後)で通信することができました。これなら仕事を持ち込んでゆっくり連泊しながら湯治ってこともできそうです。
源泉掛け流しで成分豊富なお湯は文句なしに素晴らしいですし、ちょっとキレイすぎる感はあるものの秘湯風情も充分です。
自然の中の秘湯宿で安く温泉三昧に浸りたいって人や、温泉宿で自炊して湯治っぽいことを体験してみたいって人にはお勧めですね。
ではでは、またー。
(旅行日:2015年7月9,10日)