歴史深き花巻の名湯、鉛温泉「藤三旅館」に泊まったよ

2013年 7月 25日
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こんにちは、ロプロス(@ropross)です。

先日の北東北鉄道旅で、岩手県の花巻南温泉峡の鉛温泉「藤三旅館」に泊まって来ました。

「藤三旅館」は山間の渓谷沿いに建つ一軒宿で、創業1786年という非常に古い歴史を持つ温泉旅館です。

秘湯ムード溢れるロケーションや、木造三階建ての建物、日本一深い自噴天然岩風呂などが有名で、ずっと以前から泊まりたいと思っていた宿でした。

今回、北東北を鉄道に周るにあたって泊まる宿を探していたところ、たまたまグルーポンで通常は16000円くらいのプランが半額の8000円で宿泊できるというこの宿のクーポンを見つけました。
しかも無料送迎バスも出ているということで、大喜びでクーポンを取り、憧れの宿への予約を入れました。

この日は秋田から列車を乗り継ぎ花巻駅へ。花巻駅からは花巻南温泉峡の無料送迎バスに乗り、約40分ほどで宿の近くに到着しました。ここで送迎バスを降りると、さらに宿のマイクロバスが迎えに来てくれています。宿までの道は狭い急坂で大きなバスでは入れないようです。

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築70年を超える木造三階建て総ひのき造りの本館が出迎えてくれます。さすが歴史の重みを感じさせる貫禄のある建物です。


入り口の梁や柱からも風格が伝わってきます。掲げられた提灯も秘湯感を演出してくれます。


この宿には新しい鉄筋の別館もあるのですが、今回のプランでは歴史ある本館の部屋に泊まることができました。
部屋は川に面した12畳と広めの和室で、広縁的スペースには椅子と机が置かれ、窓から渓流の眺めを楽しむことができます。


3畳の前室があり、冷蔵庫や鏡台、食器棚が置かれています。

今回は広い部屋に泊まることができましたが、安いプランだと7畳か8畳の部屋になるようです。


涼しげな音を立てて流れる豊沢川。窓を開けると清涼な空気が吹き込んできます。
ただ、虫も多いので網戸は閉めておいたほうが良さそう。


山の宿は部屋から渓流が見えるとポイント高いですよね。

新しい別館のほうは全て川に面しているようですが、この本館のほうは一部道路側の部屋もあるようです。


テーブルの上に用意されたお菓子はおせんべいとおまんじゅうの2点。


浴衣と半纏、タオルと小物を入れる袋。「鉛温泉」の文字が入っています。


この旅館には浴場が5ヶ所あり、男女それぞれに入浴できる時間帯が違う浴場もあるので、全浴場コンプリートを目指すなら、計画的に入らなくてはなりません。これは忙しいw


本館の廊下。


階段の木製の手すりから歴史を感じます。


ロビー。


5ヶ所の浴場は本館・別館に分かれているので、看板がないと迷ってしまいそう。


ロビー横には畳敷きの居心地良さそうなお座敷があります。


切り株を使った囲炉裏に南部鉄器の茶瓶が置かれ、良い風情を醸し出しています。はー、この空間落ち着くわー、。


お座敷の一角には、コマや輪投げ、だるま落としにおはじきなど、懐かしいおもちゃが数多く置かれていて、童心に返って遊ぶことができます。

あかん!だるま落としも輪投げもくっそ難しい・・・

 
さて、温泉です。5ヶ所ある浴場は全てが加水、加温、循環なしの源泉掛け流しで、100%の天然温泉を思う存分満喫することができます。
お湯はアルカリ性の単純温泉で、ほのかに温泉らしい硫黄の香りがあり、肌触りはとっても滑らか。

※浴室は撮影禁止だったので、以下のお風呂の写真は「じゃらん」からお借りしています。



この宿のシンボル、「白猿の湯」。立って入る日本一深い自噴天然岩風呂です。
混浴なのですが、女性専用の時間帯も設けられているので、女性でも安心して入ることができます。

天然の岩をくりぬいて作られたという湯船は、深さ125cmとのことですが、場所によっては深さが違い、140cmくらいはあるんじゃなかろうか?ってところもありました。

湯船に身を沈めて吹き抜けの高い天井を見上げていると、古の湯治場にタイムスリップしたような気分になってきます。



こちらは渓流に面した露天風呂、「桂の湯」。
豊沢川の流れを眺めながらの入浴を楽しめます。



「桂の湯」は二段になっていて、下の方にはすぐ川を目の前にする野趣溢れる岩造りの湯船もあり、自然を間近に感じながらの湯浴みを満喫することができます。



半露天の「白糸の湯」。大きな窓から、渓流と対岸の岩場を流れ落ちる白糸の滝を見ることができます。



シンプルなタイル貼りの内湯、「河鹿の湯」。
他の浴場と比べると趣には欠けますが、大きな窓から豊沢川のせせらぎを眺めることができます。



5つの浴場のうち最も狭い「銀の湯」。
湯船は狭いのですが、たっぷりとお湯が注がれているのは他の浴場と変りなく、さぶざぶと浴槽から溢れ出るほどの新鮮なお湯を堪能することができます。

ここは時間帯によって貸切にすることもできます(有料)。


夕食はお食事処で。ここだけ最近改装したらしく、歴史ある秘湯らしからぬ、オシャレ和モダンな空間でした。

メニューはスタンダードな感じの和食膳で、地元花巻産の野菜や三陸の海の幸が使われた料理が並びます。


温泉卵ののったサワラのカルパッチョ。バジルのソースで頂きます。


クロムツの黄身もと焼き。


魚介の酢味噌。


お刺身はマグロ、タイ、ナンバンエビの三点。


ずんだしんじょうと、蕎麦の実とギョウジャニンニクの入った豆腐寄せ。
ずんだの豆々した甘味と食感が素晴らしい!


なんとかというブランド豚(ごめん、忘れたw)のお鍋。脂身旨すぎー!


そして最後のデザートはフルーツでした。ごちそうさまー。


朝食は素朴な和食膳です。
器に入ったお豆腐が美味しい。しかし、卵料理は私の大好きな温泉卵じゃなくて、ハムエッグでした。むぅ。


歴史と情緒のある建物、自然に抱かれた環境、趣きのある浴場、肌に優しく上質なお湯と、温泉旅館の原点とも言える魅力がぎっしり詰まった素晴らしい宿でした。

今回泊まった旅館部の他に、リーズナブルに宿泊できる湯治部もあるようなので、滞在して温泉三昧ってのも良さそうですね。

それでは、またー。

▼岩手 花巻温泉郷 鉛温泉 藤三旅館(公式サイト)

(旅行日:2013年7月10,11日)