こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
最近、旅行に行ってなくて書くネタがないので、前回の「長崎ペンギン水族館」に続いて、今年(2013年)の3月に行った佐賀・長崎旅行について書いていこうかと思います。
今回、紹介するのは、佐賀県の「太良嶽温泉ホテル蟹御殿」です。
「蟹御殿」って名前だけでも惹かれまくりなのですが、「蟹」と言っても、ここで出るのは北海道民的にイメージする、ズワイガニや毛ガニ、タラバガニではなく、有明海で獲れる「竹崎蟹」というワタリガニ(ガザミ)の一種です。
宿泊プランは部屋や食事のグレードでいろいろありましたが、今回は1泊2食14900円のプランを選びました。
部屋は一番安い「オーシャンパノラマルーム」なのですが、食事は佐賀牛が付いていて、基本プランより1000円プラスになっています。
「蟹御殿」って名前を最初聞いた時には、道頓堀の「かに道楽」のようなのを想像していたのですが、外観はカニっぽくもなければ御殿っぽくもない、いたって普通の旅館です。
入り口の上に、誇らしく掲げられた「蟹御殿」の文字。
「蟹御殿」という名前のイメージに反して、ロビーはオサレな雰囲気。
ここでチェックインの手続きを行います。
ウェルカムドリンク&スイーツ。ほんのり甘い枇杷茶と自家製のプリンです。
部屋は12畳の和室で、オーシャンビューです。
オーシャンビューの部屋には何度か泊まったことがありますが、壁一面が全て窓になってるってのは初めて。
おおお、これはすごいー!
有明海の向こうには、普賢岳を始めとした雲仙の山々を望むことができます。
畳に寝転がりながらこの絶景を堪能できるとは贅沢すぎる!
これが一番安い部屋だとは嬉しい限りです。
この風景を一時でも長く楽しんでもらおうという配慮からか、洗面台まで窓の横にあります。
和室なのですが、全体的に最近流行りのオサレモダン風味。
ムーディーっぽいCDとプレイヤー。
部屋に用意されてるお茶菓子。種なし梅があるところって多いよね。
浴衣には「蟹御殿」の文字と蟹の絵がw
この宿には本館の展望露天風呂、別棟の「有明海の湯」、それに貸切露天風呂と、三ヶ所に浴場があるのですが、まずは1時間無料で入ることができる貸切露天風呂へ行くことに。
貸切露天風呂の空き状況は、部屋のテレビでわかります。
「おお!ハイテクや!」と思ったら、監視カメラで写した空き状況を示す札を、テレビに映してるだけでしたw
貸切露天風呂へは一旦建物を出て、雰囲気のいい渡り廊下を通っていきます。
水を張った器に浮かべられた色とりどりの花々。こういった演出もちょっと嬉しいところ。
貸切露天風呂は8ヶ所あり、檜風呂やジャグジーバスなど、それぞれに趣向が違うのですが、一番露天風呂らしさのある岩風呂を選びました。
湯船は小さめで家族で入るには狭そうですが、カップルにはちょうどいい感じ。
海を眺めながら、他人に気兼ねすることなく、のんびりと湯浴みを楽しむことができます。
夕食は竹崎蟹と佐賀牛をメインとした和食会席で、個室のお食事処で頂きます。
ピーナッツ豆腐と海茸の粕漬け。
「海茸って初めて聞いたけどなんやろ?」と思い、後からググってみたのですが、予想外のグロさに、食べる前に調べなくて良かったと思いました。
あ、味のほうは粕の中であまり主張しない結構淡白な感じです。
スズキ、カンパチ、ヒラメ、イカのお造り。やはり刺身のラインナップが北海道とは違うね。
そしてお目当ての竹崎蟹の登場です。
茹で竹崎蟹が一人に二杯も付いてきます。
他の蟹と比べると小さめなので、身はそれほど多くないのですが、味噌は甲羅の隅までたっぷり入っています。
味噌の味は、ズワイガニとも毛ガニともタラバガニともずいぶん違う感じですが、独特の旨味がぎゅぎゅっと詰まっています。
このあたりは牡蠣の産地でもあるようで、大きな蒸し牡蠣も出ました。
うおっ、ぷりっぷりだ!
焼き竹崎蟹。
蟹味噌が香ばしくなって、これもまた美味し!
茶碗蒸し。
下にカニクリームが入ってる珍しい一品です。
口底の唐揚げ。
これまた初めて聞く名前でしたが、このあたりで獲れる舌平目の一種だそうです。
基本プランよりグレードアップして追加した佐賀和牛。
溶岩プレートでじゅーじゅー焼きます。
ふおー、口の中で脂身が溶けていくー!文句なしに美味いっ!
そしてさらに竹崎蟹の釜めし。まさに蟹三昧です。
お腹いっぱいで蟹釜めしは食べきれなかったので、残った分はおにぎりにしてもらいました。
翌日のおやつ代わりに食べたんだけど、冷めてても蟹の旨味は失われず、充分美味しい。
ラストのデザートはイチゴのパンナコッタでした。
ごちそうさまでした!
朝は最上階にある展望露天風呂へ。
「展望露天風呂」を名乗っていても、壁や柵が邪魔して湯船に浸かると風景を楽しめないってところも多いのですが、この「蟹御殿」の露天風呂は目の前を遮るものは何もなく、お湯に浸かりながら絶景を堪能することができます。
湯船の向こうには、広がる有明海と彼方にそびえる雲仙岳。ぷひー、ごくらくやー。
写真は朝の風景ですが、夜、月明かりに浮かぶ海を眺めながらの入浴もまた格別でした。
お湯のほうは成分が薄くて湧出温度も低いのですが、メタ珪酸が50g/kg以上でギリギリで「温泉」と名乗ることができています。
加温、循環、消毒しているので、泉質や源泉掛け流しにこだわる人にはちょっと残念かも。
さて、朝食も昨日と同じお食事処で。
小鉢には体に優しそうな品々が並びます。
南部鉄器釜で炊いた白いお米。つやっつや。
卵かけごはんにして、特製しょうゆをかけて頂きます。
こういうシンプルな一杯がとてつもなく美味い!
温泉湯豆腐。
特製竹崎蟹しゅうまい。
温泉旅館らしからぬモダンな家具が置かれたラウンジ。
ラウンジからテラスに出ることができ、ここからも有明海や雲仙岳を望むことができます。
海と山の絶景と、美味しい竹崎蟹を、どちらも思う存分満喫できる、なんとも贅沢な宿でした。食事のクオリティや空間の雰囲気を考えると、コストパフォーマンスも上々です。
ズワイガニやタラバガニなどを食べられる宿は数多くありますが、ワタリガニを売りにしている宿というのはあまりないようですし、「温泉に泊まって、ちょっと変わった料理が食べたい」って人にもお勧めしたいですね。
佐賀の方で温泉に行こうとすると、まず武雄温泉や嬉野温泉といった歴史ある名湯が思い浮かびますが、料理や景観を重視するのなら、この「蟹御殿」も候補に加えてみてはいかがでしょうか?
ではでは、またー。
(旅行日:2013年3月21,22日)