こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
10月に東北を旅行したときに、山形県の山寺を訪れました。何度も旅行番組などで見て、一度行ってみたかった場所だったんですよね。
山寺は正式には宝珠山立石寺(りっしゃくじ)といい、860年に清和天皇の勅命により、慈覚大師・円仁が開山した天台宗の名刹です。
この地を訪れた松尾芭蕉が、「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」という句を詠んだことでも有名ですね。
山寺までは、山形市内から車で25分ほど走ると到着します。
有料の駐車場に車を停め、立谷川にかかる宝珠橋を渡ります。
真正面に見えるかなり切り立った山に、これから登る山寺があります。
上の方にはいくつかの建物が見えますね。
左の建物が絶景が望めることで有名な五大堂。ずいぶん高いところにあるなあ・・・
観光地らしい賑わいのある通りを抜け、山寺の登山口へ。
ここから登り始めます。
最初の階段を登り切ったところにまず現れるのは、国の重要文化財に指定されている根本中堂。
1356年に再建されたもので、ブナ材の建築物としては日本最古のものだそうです。
お堂内には、ご本尊の薬師如来が安置されています。
松尾芭蕉が詠んだ「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の句碑。
慈覚大師に立石寺の開山を命じた清和天皇の御宝塔。
根本中堂から左手に歩いて行くと、日枝神社があります。神仏習合ってやつですね。
日枝神社の境内にある、イチョウの巨木。
山寺と言ったら、まず名物の力こんにゃくを食べないとね。
1本100円。辛子をつけていただきます。
ぶりんとした弾力のこんにゃくは、醤油味でなかなか美味しい。
ほとんどカロリーのないこんにゃくで力が出るのかは疑問なところですがw
編笠や杖のレンタル(販売だったかも)もありました。
神社の境内にあった亀の甲石。
小銭に名前を書いて石の上に置くと、願いが叶うと言われています。
宝物殿。
松尾芭蕉の像。一体、日本全国に芭蕉の像って何体あるんだろ?
隣には弟子の曽良の像もありました。
念仏堂と鐘楼。
山門にまでたどり着きました。ここで入山料300円を支払います。
根本中堂からここまでは平坦だったのですが、山門からは石段の続く本格的な登りが始まります。
この石段を一段一段登るごとに、煩悩が消滅していくと言われているそうです。
最も奥にある奥之院までは1015段もあるそうなので、煩悩多めな私にはちょうどいいかもしれません。
慈覚大師が雨宿りしたと伝えられる笠岩。
姥堂。
これより上は極楽なので、ここで新しい着物に着替えて、古い着物は堂内の本尊、奪衣婆に奉納したそうです。
天をつくような杉の木が並ぶ、聖域らしいい雰囲気の中を、どんどん登っていきます。
百丈岩と呼ばれる岩壁。
石段の脇には、何体もの小さな仏像が安置されています。
四寸道と呼ばれる箇所。片足分の幅しかないくらい狭い。
せみ塚に到着しました。座る場所があるので、ここで少し休憩。
芭蕉の詠んだ「蝉の声」の句をしたためた短冊を、弟子達がここに埋め、石の塚を建てたと言われています。
さて、一休みしたところで、再び石段を登り始めます。
弥陀堂。
長年の風雨により岩壁が削られ、阿弥陀如来の姿を作り出したと言われています。
おおー、阿弥陀様の姿はよくわからなかったけど、これは凄いな。
杉林を抜けると、仁王門が見えてきました。こちらは江戸末期に再建されたもの。
格子の間から仁王様のお顔を拝見。
ストレートな登りはキツい。
性相院。
慈覚大師の作と伝えられる、本尊の阿弥陀如来が安置されています。
金乗院。
本尊は延命地蔵菩薩です。
延命地蔵菩薩の持ち物、宝珠と錫杖を表すという、「ぴんころ車」。
数珠玉を回すことにより、真言を唱えるのと同じ功徳が得られるのだとか。
細くなった石段をさらに登っていきます。
中性院。こちらの本尊も阿弥陀如来です。
おびんずるさまがいました。なでなで。
あともう一息!
山門をくぐってから約40分。山寺の最も奥にある、大仏殿と奥之院の前まで到着しました。
左手にあるのが大仏殿。
内部には高さ5mの金色の阿弥陀如来像が安置されています。
右手には奥の院。
正式には「如法堂」といい、慈覚大師が中国での修行中に持ち歩いたと言われる、釈迦如来と多宝如来の両尊がご本尊です。
奥之院の手前から横道に入って少し進んだところにある華厳院。
慈覚大師が開山の際に住んだ所と言われ、大師作の観世音菩薩が本尊として祀られています。
華厳院の手間にある、重要文化財の三重小塔。
大岩をくり抜いた穴の中に、小さな三重塔が佇んでいます。
華厳院の前からは、これまで通ってきた伽藍から遥か向こうの盆地や山々まで、見事な風景を望むことができます。
階段に戻ってから少し降りたあたりで、また横道に入り石畳の道を進みます。
山寺は紅葉の名所としても知られていますが、10月下旬のこの時期にはまだまだ早かったようですね。
この立石寺を開いた慈覚大師のお堂、開山堂。
江戸後期に再建されたもので、大師の木造が安置されています。
開山堂の隣にある、写経を納める納経堂。
これが山内で最も古い建物だそうです。
開山堂からさらに奥に進み、狭い階段を登ります。
ようやく最後の目的地、五大堂にたどり着きました。
舞台造りのお堂は展望台のようになっていて、山寺随一と言われる眺望を楽しむことができます。
しかし、壁や柱が落書きだらけなのはがっくり・・・
眼下の街から奥へと連なる山々までを一望する素晴らしい絶景!
晴れてたらもっといい眺めだったんだろうなー。
JR仙山線の山寺駅の様子も見えます。ちょうど列車が交換するところのようです。
ローカル線かと思いきや、意外と車両が長いですね。仙台と山形を結ぶ路線だから利用者は結構いるのかな。
相方のミラーレス機のジオラマモードで撮ったもの。本当にミニチュアみたいw
さて、絶景もじっくりと堪能したので、下山することにします。
下りは山門ではなく、抜苦門のほうへ降りていきます。
五大堂からここまでは25分ほど。登りと比べるとあっという間でした。
抜苦門を出たところにある羅漢像。
手に持った器から流れる法水を手にかけると、知恵を授かり長生きできると伝えられています。
立石寺本坊。
全山の管理や宗教行事が行われる、立石寺の中枢です。
本坊の横に下山口があるので、ここから車道に降り、宝珠橋のほうへ戻って行きました。
まとめ
参考までに、コースのスタート地点となる、宝珠橋を渡ってから戻ってくるまでの時刻を記載しておきますね。
11:05 宝珠橋
11:11 登山口
11:48 山門
12:30 奥之院
12:52 五大堂
13:07 五大堂から下山開始
13:32 抜苦門
13:39 宝珠橋
全行程で約2時間30分ほどかかりました。
私達は、写真撮ったり休憩したり御朱印もらったりと、かなりゆっくりのペースだったので、これくらいの時間がかかってしまいましたが、速い人なら1時間半ほどで行って戻ってくるそうです。
実は運動不足な私達にはもっと登るのキツいだろうな、と想像していたのですが、意外と楽に登ることができました。写真撮りながらゆっくりと登ったからかな?
観光客が多くて閑かではないし、秋だから蝉の声も聞こえないので、芭蕉が感じた空気とはだいぶ違うのでしょうが、古刹ならではの神聖な雰囲気を味わい、見事な眺望も楽しむことができました。
また、何年か経ったら再訪したいですね。
ではでは、またー。
(旅行日:2013年10月24日)