
こんにちは、ロプロス(@ropross)です。
9月に道南方面へ鉄道旅してきたのですが、そのときに青函トンネル内にある「竜飛海底駅」を見学してきました。
竜飛海底駅は、非常時の避難所や保線基地として設置されたもので、一般旅客は利用できないのですが、見学整理券を購入すると見学することは可能となっています。
青函トンネル内には、北海道側の吉岡海底駅、本州側の竜飛海底駅と二つの駅がありますが、吉岡海底駅のほうは現在休止中で、残る竜飛海底駅も来年(2014年)3月に廃止されることが決まっています。
駅自体が廃止されるのは来年3月ですが、見学できるのは今年の11月10日までなので、今回の旅行で行かないと、もう二度と見に行くことができない!と、いうことで、チケットを取って見学コースに参加することにしました。

函館駅から12:04発の「スーパー白鳥30号」に乗って竜飛海底駅に向かいます。
竜飛海底駅で下車できる列車は上り下りそれぞれ一本だけなので、函館側から見学に行くには、必ずこの列車に乗る必要があります。
ちなみに、今回の旅行では7日連続で普通・快速列車が乗り放題となる「北海道&東日本パス」を利用していたのですが、函館-新青森間は特急券だけ追加すれば「白鳥」「スーパー白鳥」の自由席に乗ることができます。

列車のシートの後ろには、青函トンネルの通過予定時刻表が貼られています。
竜飛海底駅までは1時間10分かかるようです。

列車は津軽海峡に沿って走ります。この路線は車窓風景が良く、海の向こうに函館山の姿も見えました。

竜飛海底駅を見学するには、見学整理券が必要です。料金は2040円。

列車が青函トンネルに入ってから約20分、竜飛海底駅に近づいてきたところで、下車の準備をします。ドアが開くのは2号車だけなので、停車する前に移動しておきます。
この駅で降りることができるのは、見学整理券を持っている乗客だけです。
13:15に竜飛海底駅に到着です。

ホームは狭いので、下車したらすぐにホームと連絡誘導路を結ぶ通路へと進みます。

線路の敷設されている本坑と並行して通っている連絡誘導路。北海道側の吉岡海底駅まで延々続いているそうです。
無機質なコンクリートのトンネルがどこまでも続く非現実的光景がマニア心をくすぐります。

見学客は約30人くらい。廃止されることが決まってから人気が高まっているそうで、この日も定員に達しているようです。
普通の観光客と鉄道ファンっぽい感じの人が半々くらいでした。
集まってガイドさんの説明を受けます。

ガイドさんに導かれて、誘導路内を歩き始めます。

壁には何故か葛飾北斎の富嶽三十六景が。

誘導路にも駅名標が掲げられています。

この場所は正確には「青函トンネル竜飛定点」というそうです。
海面から140mも下に位置しているのだとか。
これまでの人生で最も低い場所にいるのかも!

誘導路はただ真っ直ぐ続いているわけではなく、カーブや坂になっているところもあります。

ところどころ分岐しているところもあり、まるでRPGのダンジョンのようです。
これ、一人で歩くと怖いだろうなぁ。


立ち入りが禁止されている脇道。

誘導路に敷かれているレールは、トンネル建設時にトロッコで資材等を運搬するため使われていたそうです。

天井の配管。

この辺りにはベンチが置かれ、トンネル内で事故などがあったときの避難所になっているようです。
ちゃんとトイレもありました。

青函トンネル開通当時は見学ツアーも盛んだったようで、さまざまな施設があったようですが、現在は寂れて無残な姿を晒しています。
津軽海峡の魚を展示していたのであろう、ちょっとした水族館まであったようです。

錆びてぼろぼろになったジオラマも。

ガイドさんがパネルを見ながら青函トンネルについての概要を説明してくれます。

今では地上ですら見かけることの少なくなった電話ボックスがありました。
ちゃんと電話をかけられるそうです。

青函トンネルの工事から開通までの様子を写した写真がずらりと展示されています。


厳重な扉によって区画されているところも。

こちらにも青函トンネルの工事にまつわるさまざまな資料が展示されています。

人形によりトンネルの掘削工事の様子が再現されています。


掘削に利用された重機も展示。


工事に使われた各種機具。

シャベルやツルハシのような原始的な機具も。

地上の「青函トンネル記念館」との間を結ぶケーブルカー。「もぐら号」って可愛い名前もついていました。
これに乗って一旦地上に上がります。

778mの急な斜面を、約8分かけてぐいぐい登っていきます。

記念館駅に到着です。

ふー、シャバの空気は美味いぜー。

「青函トンネル記念館」では、青函トンネルの姿が立体模型や映像により紹介されています。
竜飛海底駅の見学チケットには、この記念館の入館料も含まれているので、戻りのケーブルカーの時間まで自由に見学することができます。
ちなみに、竜飛海底駅の見学コースに参加しなくても、この青函トンネル記念館からケーブルカーに乗って、坑道内を見学しに行くこともできるそうです。避難所や竜飛海底駅までは見に行けないようですが。


記念館の近くの公園にも、工事に利用された車両が展示されています。
津軽半島最北端の竜飛岬まで歩いて行けるそうですが、時間がギリギリになってしまうようなので、今回は行きませんでした。

1時間ほどの地上での滞在を終え、再びケーブルカーで坑道に戻り、てくてく駅へと引き返していきます。






竜飛海底駅の時刻表が掲示されていました。停車するのはこの見学コースのための下り3本、上り1本だけです。

竜飛海底駅に戻りました。ホームは狭くて危険なので、通路で待機します。

轟音を響かせて、ものすごい勢いで貨物列車が通過。むう、撮れない・・・

ちょっとだけ場所を譲ってもらって、ホームから線路を撮りました。
うおー、これまた異様な空間だなぁ。
北海道新幹線用の3本目のレールが敷かれているのがわかります。

闇に吸い込まれるレール。ホームの壁には駅名標も。

下りの「白鳥23号」が入線してきました。ホーム狭っ!
2時間35分の見学は終了。これに乗って函館へと戻ります。

函館駅に到着しました。
日常では見ることができないような、現実離れした数々の光景を目にすることができ、満足の見学となりました。この先、もう二度と見ることができないかと思うと、余計に貴重なものを見てきたという気分になりますね。
この海底下に広がる異様な世界、ぜひぜひ一度見に行ってみてください!と、言いたいところなのですが、見学できるのは11月10日までとあとわずかで、見学希望者が殺到しているそうなので、今からチケットを入手するのは難しいかもしれませんね・・・
ではでは、またー。
(旅行日:2013年9月18日)



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