【南近畿旅行記#12】吉野山で満開の桜を大満喫の巻

2012年 7月 16日
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【南近畿旅行記#11】の続きです。

さて、いよいよ「日本一」との呼び声も高い吉野山の桜を見に行きます。

吉野山には全体で3万本もの桜の木があり、ふもとの方から、下千本、中千本、上千本、奥千本と、4ヶ所に分かれて密集しているそうです。
そのうち下千本、中千本、上千本がちょうど見頃になっているとのことで、期待が高まります。

お花見シーズンの吉野山では、駐車場代が一日1500円とかなり高く、また道路も渋滞するそうなので、前日宿泊した宿に車を停めさせてもらって、下市口駅から近鉄電車で吉野山に向かいました。

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吉野山の玄関口、吉野駅に到着。


吉野山の見どころは、七曲りと呼ばれる急坂を登ったところから始まるのですが、歩いて登るのはしんどいのでロープウェイに乗り込みます。
片道350円、往復600円。
現存する日本最古のロープウェイだそうです。

 
ロープウェイを降りてから少しふもと側に戻ったあたりから、吉野山最初のお花見ポイント、下千本の桜を見渡すことができます。


斜面いっぱいの桜色。いきなりの美景に思わず歓声をあげてしまいます。


つづら折りの坂道が続く七曲り。
昨日見た夜桜がライトアップされていたのはこのあたりです。


真っ赤な欄干に散った花びらも風情がありますね。

 
ここから吉野山のメインストリートを、点在する見所に立ち寄りつつ、少しづつ登っていきます。


濃いピンク色が鮮やかなヤエベニシダレ。


修験道の総本山、金峯山寺(きんぷせんじ)の仁王門。


金峯山寺の蔵王堂。
仁王門と並んで国宝に指定されています。
これまでにいくつもの寺院の本堂を見てきましたが、ここまで重厚で威厳を感じさせるものはなかなかないですね。


蔵王堂の前に咲く4本の桜。
吉野落城を覚悟した大塔宮護良親王が、最後の酒宴を催した場所と言われています。


蔵王堂には、本尊の蔵王権現さまが祀られています。
秘仏のため普段は見ることができませんが、この期間は特別ご開帳として、そのありがたい姿が公開されていました。
残念ながら写真撮影は禁止なのでポスターでw

鬼のような荒々しい形相をしていますが、これは本来は優しい仏様が、乱れた世から人々を救うべく立ち上がった姿だそうです。
真ん中が釈迦如来、左が弥勒菩薩、右が千手観音菩薩。
この堂々たる威容には圧倒されます。青い仏様というのもたいへん珍しく、見応えがありました。


金峰山寺の境内に建つ、南朝妙法殿。


ここらで、おやつタイム。
豆腐屋さんの豆乳ソフトクリーム。


吉野の名物、くず餅が食べ歩き用に売られています。
もっちもちして美味しい。


東南院の多宝塔とシダレザクラ。


吉水神社の入り口あたりから見る蔵王堂。


吉水神社の境内から中千本、上千本を仰ぎ見る、「一目千本」と呼ばれる絶景。
これだけ山が桜で埋まっている風景は、今まで見たことないですねー。
これを見れただけでも吉野に来て良かったと思わせます。


吉水神社。京都を逃れた後醍醐天皇が開いた南朝の皇居が置かれていたところです。
源義経や豊臣秀吉ともゆかりの深い場所でもあります。

書院内には極めて貴重な文化財の数々が展示されています。


源義経潜居の間。
兄頼朝に追われた義経が、愛妾、静御前や弁慶と共に、ここに身を隠していたそうです。
義経と静御前の衣装が展示されています。


弁慶思案の間。


後醍醐天皇玉座。


源義経所用と言われる鎧。
イメージしているよりも更に小柄な人物用に見えます。


修験道の開祖、役行者の像。


豊臣秀吉愛用の金屏風。

この他にも百人一首でお馴染みの蝉丸の琵琶や、水戸光圀公の書、一休和尚の書など、歴史ファンならずとも是非見ておきたい品々が展示されていました。


昼食はアマゴ寿司と鮎寿司を頂きました。

この旅行では、和歌山の早寿司、南紀のさんま寿司、奈良の柿の葉寿司と、押し寿司を数多く食べてきたけど、南近畿地方には美味しい押し寿司が本当にたくさんありますね。


桃色の桜?桃の花?


聖徳太子が創建したと言われる竹林院。
宿坊として宿泊することもできるそうです。


大和三庭園のひとつに数えられる竹林院の庭園「群芳園」。
千利休が改築し、豊臣秀吉もここで花見を楽しんだと言われています。


鏡のように空を映す池と、枝垂れ桜。


散った桜が水面に浮かぶ様子もまた風流。


群芳園の奥は小高い丘になっていて、そこにも桜が咲き乱れています。


どこからか失念しちゃったけど、中千本のあたり。


どの桜も満開で、花見を楽しむのには最高のタイミングでした。
 

竹林院から、上千本のほうに向かって急な坂を登っていきます。


30分ほど登ると、吉野山全体を見渡せる見事な風景が目の前に広がります。


上千本から中千本、その向こうには金峯山寺の蔵王堂を望みます。
「吉野で最も素晴らしい」と言われる、感動的な絶景です。


歌舞伎「義経千本桜」の舞台になった花矢倉。
展望台になっているようですが、老朽化のためか現在は立ち入ることができません。

ここから登り坂はさらに奥千本に向かうのですが、そちらのほうはまだそれほど開花していないようだし、時間もないので、このあたりで引き返すことにします。


下山途中に立ち寄ったお店で食べた吉野名物の葛切り。

 
吉野山の最後に立ち寄ったのは、中千本の中心にある五郎兵衛茶屋。
実際にお茶屋さんがあるわけではなく、かつて五郎兵衛という人物が茶屋を開いていたから現在でもこう呼ばれているのだとか。


周囲を中千本の桜に囲まれ、上千本の桜も見上げることができるという、贅沢なお花見ポイントです。

歩いて降りるのも面倒なので、中千本のバス停からは、吉野駅前までバスで降りて行きました。

いやー、吉野の桜、本当に見事でした。
公園や寺社、城郭で見る桜とはまた違い、山一面が桜色に染まる風景には、圧倒されるような美しさがありますねー。

この日は天候にも恵まれ、満開の桜を心ゆくまで満喫でき、大満足の一日になりました。

【南近畿旅行記#13】大阪造幣局の桜の通り抜けを見てきたの巻に続きます。

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